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−最終更新−
《『Secret Voice』第8話》
次第に広がっていくドアの隙間は、やがて隙間と表現するものではなくなり、昼間のうららかな日の光を広く室内に届けるまでになった。
「今朝も言ったよね?君の世話人になりたいわけじゃないって」
靴音を響かせて入ってきたチハヤの顔が、微かに歪んでいるのを認めて、アカリは目を見開く。
ドアに体重を預けきっていたため、閉じられたそれに従い後ろにバランスを崩しかけた少女を、青年はしっかりと支えてくれた。
目の前に膝を付いたチハヤの、肩に触れた手が熱い。
「考えてよ。何で僕が気持ちを伝えたのか…もっと考えて」
こちらを射抜く、真っ直ぐな紫の瞳は、悔しい程に美しかった。