まるで幼稚な意地とプライドを以って、俺は彼女をコイビトにした。
相手も負けず頑固でプライドの高いひとだったから、矜持をくすぐるよう、言い放つのは一言でよかった。

「勝負しようぜ」

俺と君、どっちの気持ちが強いか。

一瞬だけためらう表情を見せた彼女は、覚悟したように目元を引き締めて。

「望むところだわ」

そう言った。

一ヶ月。キヨクタダシイお付き合いをして。
彼女が俺に惚れたら俺の勝ち。惚れなかったら俺の負け。

どうすれば彼女に勝てるだろう?

俺の気持ちなんて、もうずっと、彼女に固定しているのに。



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20100530:アップ